メルセデスに乗る PART6 ブティックマダム編
(これは様々なオーナーの方の経験談をもとにしたフィクションの物語です)
私、車は運転しません、いわゆるペーパードライバー。
でも、法人名義でメルセデスベンツを所有しています。
自宅からショッピングモールの店舗までは毎日タクシー通勤。
主人も公務員で、公共交通機関にて通勤。メルセデスは息子用ね。
息子は先月やっと勤務先で係長に昇進。でもまだまだこれから。
どんどんメルセデスを使って上司をゴルフ場に送迎して
チャンスをつかむのよ。
あんたも仕事はそこそこできるんだから、あとは出世のきっかけが必要。
母親としては、そこは協力してあげる。でも、出世しても実力がないと
ダメなのはわかるわよね、
ポジションに見合った以上にデキる男じゃなきゃ。
私の実家は代々商人の家系、自分で稼いで、
主人にも息子にも楽させたいのが信条でホンネ。
そんなところを見せると二人とも仕事の手を抜きそうなので、
バックアップだけして、かつ、プレッシャーをかけているの。
息子のメルセデスもそのひとつ。
今日、ヤナセの担当営業が立ち寄ると言ってたわね。
運転資金の融資に銀行に行く足に使ってやろうかしら。
でも、きっと融資交渉を隣で見せるのはとても勉強になるはず。
今後、銀行が単なる金貸し屋にしか見えなくなるかも。
アイツもうまく立ち回っているわね、車種選定は息子のところに、
乗り換えの意欲が高まったところで、私のところに来て契約交渉。
息子に頼まれると嫌と言えないのを知っていて痛いとこ突くのよね。
あ、来たわね、息子より一つ年下のヤナセ営業マン。
・・・・。
えっ、息子の次の車はこれ?・・・・。融資額増やさなきゃ。